キッチンの換気扇や浴室乾燥機を回したとたん、「キーン」という甲高い金属音や電子音が鳴り響き、不快な思いをしていませんか?「故障の前兆なのか」「火事になったりしないか」と不安になる方も多いはずです。
この「キーン」という音は、単なる汚れではなく、換気扇の心臓部であるモーターや軸受(ベアリング)に寿命が近づいているサインであることがほとんどです。放置すると突然動かなくなったり、稀に発熱の原因になったりすることもあります。
この記事では、換気扇の異音の原因を正しく切り分け、自分で試せる掃除方法から、業者に依頼すべき交換のタイミングまでを解説します。無駄な出費を抑えつつ、安全に問題を解決するための判断材料としてお役立てください。
結論:掃除で直らなければ「寿命」の可能性大
結論から言うと、「キーン」という高い音の原因は、主に「モーター内部のベアリング(軸受)の摩耗・潤滑油切れ」または「経年劣化による部品の変形」です。
もし換気扇の使用年数が10年を超えている場合、掃除をしても音は消えない可能性が高く、本体ごとの交換が最も安全で確実な解決策となります。使用年数が浅い(5年未満)場合は、ファンに付着した油汚れのバランス崩れや、フィルターの目詰まりが原因の可能性があるため、まずは掃除を試してみる価値があります。
換気扇の「キーン」音の原因を切り分ける
換気扇から聞こえる異音にはいくつかの種類があり、音の特徴によって原因が異なります。「キーン」という音の場合、以下の3つの原因が考えられます。
1. モーター軸(ベアリング)の摩耗・油切れ
最も多い原因です。換気扇のファンを回転させるモーターの軸部分にある「ベアリング」という部品の潤滑オイルが乾いてしまったり、摩耗して傷ついたりすると、金属同士が擦れ合って「キーン」や「キュルキュル」といった高い音が発生します。これは部品の寿命であり、掃除では直りません。
2. プロペラやファンの油汚れ・変形
ファン(羽根)にこびりついた油汚れが酸化して固まると、回転バランスが崩れて軸に負担がかかり、異音を誘発することがあります。また、汚れが隙間に入り込んで風切り音が変化し、高い音に聞こえるケースもあります。この場合は、徹底的な掃除で改善する可能性があります。
3. 経年劣化による電気的ノイズ
古い換気扇の場合、モーター以外の電気部品(コンデンサなど)が劣化し、通電時に「キーン」というコイル鳴きや電気的なノイズを発することがあります。これも寿命のサインであり、修理よりも交換が推奨されます。
| 異音の種類 | 考えられる原因 | 対処法・緊急度 |
|---|---|---|
| キーン / キュルキュル | モーター軸の油切れ、ベアリング摩耗 | 【交換推奨】 掃除で改善しなければ寿命。放置すると停止する。 |
| ゴー / ブォー | 油汚れの付着、排気ダクトの詰まり | 【掃除で改善可】 ファンやフィルターを掃除する。 |
| カラカラ / カタカタ | 軸のズレ、異物混入、部品破損 | 【点検・修理】 取り付け直して直らなければ故障。 |
自分でできる対処法と「やってはいけない」こと
異音が気になった際、まずは自分でできる範囲のメンテナンスを行いましょう。ただし、間違った対処法は故障を悪化させるため注意が必要です。
まずはフィルターとファンの掃除
取扱説明書に従い、フィルターとファン(羽根)を取り外して中性洗剤や重曹水でつけ置き洗いをします。油汚れを完全に落とすことで回転バランスが戻り、音が静かになることがあります。特にシロッコファン(筒状のファン)は羽の間に汚れが溜まりやすいため、ブラシ等で丁寧に落としてください。
【重要】潤滑スプレー(5-56等)の安易な使用はNG
「異音には油をさせばいい」と考え、市販の潤滑スプレー(CRC 5-56など)をモーター軸の隙間から吹きかける方がいますが、これは推奨されません。
一般的な潤滑スプレーは揮発性が高く、一時的に音が消えてもすぐに再発します。そればかりか、元々入っていたグリスを溶かして流してしまったり、プラスチック部品を劣化させて割れの原因になったりします。また、ホコリを吸着して固着させ、最悪の場合モーターが焼き付く原因にもなります。メーカー指定の方法以外での注油は避けましょう。
修理・交換の判断基準と費用目安
掃除をしても「キーン」音が消えない場合、あるいは設置から10年以上経過している場合は、プロによる修理または交換が必要です。
賃貸物件の場合
賃貸アパートやマンションの場合、換気扇は備え付けの設備です。経年劣化による故障であれば、大家さんや管理会社の負担で修理・交換してもらえるのが一般的です。勝手に業者を呼んで修理すると費用が自己負担になる可能性があるため、まずは管理会社へ「異音がして動かなくなる恐れがある」と連絡しましょう。
持ち家の場合:修理か交換か
メーカーの部品保有期間は製造終了から約6〜10年です。10年以上前の機種は部品がないため、修理ができず交換対応になります。また、7〜8年経過している場合も、修理費用と新品交換費用の差額を考えると、省エネ性能の高い新品に交換したほうが長期的に見てお得なケースが多いです。
| 対応内容 | 費用相場(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| モーター交換修理 | 1.5万〜3万円 | 部品がある場合のみ可。他の部品も劣化している可能性あり。 |
| プロペラファン交換 | 2万〜4万円 | 壁に直接ついているタイプ。比較的安価。 |
| レンジフード交換 | 6万〜15万円 | 深型やスリム型など機種により幅がある。工事費込み。 |
よくある質問(FAQ)
Q1. 掃除をしても「キーン」という音が消えません。どうすればいいですか?
A. 掃除で改善しない場合、モーター内部のベアリング摩耗や経年劣化が原因である可能性が高いです。これ以上自分で修理するのは難しいため、メーカーや専門業者に点検・交換を依頼してください。
Q2. 異音がする状態で使い続けても大丈夫ですか?
A. 直ちに発火する危険性は低いですが、放置するとモーターが焼き付いて突然停止したり、煙が出たりするリスクがあります。早めの交換をおすすめします。
Q3. 賃貸ですが、自分で業者を呼んでもいいですか?
A. 原則としてNGです。設備は貸主の所有物であり、勝手に交換すると退去時にトラブルになる可能性があります。必ず管理会社か大家さんに連絡し、指示を仰いでください。
Q4. 換気扇の寿命はどれくらいですか?
A. 一般的に換気扇の標準使用期間は10年〜15年とされています。10年を過ぎると部品の劣化が進み、異音や振動が発生しやすくなります。
Q5. 24時間換気システムから音がする場合も同じ原因ですか?
A. 基本的には同じくモーターの劣化やホコリ詰まりが原因です。ただし、24時間換気は停止することを想定していないため、不具合がある場合は早急にハウスメーカーや管理会社へ相談してください。
まとめ
換気扇からの「キーン」という異音は、換気扇が発するSOSサインです。油汚れの掃除で直ることもありますが、多くの場合はモーターや軸受の寿命が原因です。
特に10年以上使用している場合は、無理に使い続けたり、自己判断で潤滑スプレーを使ったりせず、交換を検討するのが最も安全で確実な選択です。賃貸の方は管理会社へ、持ち家の方は信頼できる業者へ見積もりを依頼し、快適なキッチン環境を取り戻しましょう。
