スマホ買い替え「もったいない」は損?iPhone 14ユーザーが陥る1万円の損と賢い選択

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「2年前に買ったiPhone 14、ケースに入れていたから傷ひとつないし、バッテリーもまだ元気。これを返却して、わざわざ高い新型に乗り換えるなんて、正直もったいない気がする……」

キャリアから「トクするプログラム」の更新通知が届いたとき、営業職のあなたはそう感じたのではないでしょうか? その直感、物を大切にするという意味では素晴らしいです。

こんにちは、元家電販売員の島 翔一です。お店でも「まだ使えるのに返すのは損じゃないか?」というご相談、本当によくいただきます。

ですが、スマホ料金プランナーとして、あえて冷徹な数字の事実をお伝えしますね。

その「もったいない」という感情に従って使い続けると、あなたは経済的に約1万円〜2万円の損をすることになります。

なぜなら、現在のiPhone 14市場では、残価(支払免除額)が市場価値を上回ってしまう「逆ザヤ」という現象が起きているからです。この記事では、感情論を抜きにした「一番損しない選択」を、電卓を叩いて証明します。

目次

「まだ使えるから」が命取り。iPhone 14で起きている「逆ザヤ」現象とは?

まず、キャリアの「残価設定型プログラム(いつでもカエドキプログラムやスマホトクするプログラムなど)」の仕組みを、投資の視点で見てみましょう。

あなたが2年前に契約した際、2年後の価値(残価)として設定された金額は、iPhone 14(128GB)の場合、おおよそ69,000円前後です。

もし、あなたが「もったいないから使い続ける」と決めた場合、この69,000円を支払って端末を買い取ることになります。しかし、ここで重大な問題が発生します。

現在の中古スマホ市場(イオシスやじゃんぱら等)における、iPhone 14(128GB)の買取相場は、状態が良くても50,000円〜60,000円程度なのです。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 「使い続ける」という選択は、市場価値5万円のモノを、6万9千円出して買うのと同じことです。

なぜなら、2年前の残価設定はあくまで「予測」であり、実際の中古相場とはズレが生じるからです。この差額(約1〜2万円)は、あなたが使い続けることを選んだ瞬間に確定する「含み損」です。営業マンの視点で見れば、これは明らかに投資対効果の悪い取引ですよね。

つまり、「返却して残価69,000円をチャラにしてもらう」ことが、最も資産価値の高い選択になるのです。

電卓を叩いて判明!「使い続ける」vs「機種変」月額コストの衝撃

「でも、新しいiPhone 16にしたら、月々の支払いが高くなるんじゃないの?」

そう思われるのも無理はありません。しかし、ここにも数字のマジックがあります。実は、古い機種を使い続ける方が、月々の固定費が高くなるという逆転現象が起きているのです。

以下の表は、スマホでは横にスクロールできます。

選択肢 月額コスト(目安) 2年間の総支払額 資産価値
A:使い続ける
(残価再分割)
約2,875円
(6.9万円 ÷ 24回)
約69,000円 2年後には型落ちが進み、価値はさらに下落。
B:機種変更
(iPhone 16等)
約2,000円〜2,500円
(キャンペーン適用時)
約48,000円〜 最新のバッテリーと性能が手に入る。

いかがでしょうか。今のiPhone 14を使い続ける場合、残価の再分割で月々約3,000円近い支払いが発生します。

一方で、最新のiPhone 16などは、キャリアの「乗り換えキャンペーン」や「早トクオプション」などを駆使することで、実質負担額が月々2,000円台前半に収まるケースが多々あります。

これは例えるなら、「築年数の経った古いアパートに高い家賃(3,000円)を払い続けるか、新築のマンションに安い家賃(2,000円)で住み替えるか」という話です。どちらが賢い選択かは、明白ですよね。

それでも「今のスマホがいい」あなたへ。唯一の勝ち筋はこれだ

ここまで数字の話をしてきましたが、それでも「データ移行が面倒くさい」「今のサイズ感が気に入っている」という理由で、どうしても今のiPhone 14を手放したくない場合もあるでしょう。

その場合、キャリアでそのまま再分割払いをするのだけは避けてください。それが一番損をするルートです。

どうしても使い続けたい場合の「唯一の勝ち筋」は以下の通りです。

  • ステップ1: 残価(約6.9万円)を一括、または再分割で支払って端末を自分のものにする。
  • ステップ2: 通信プランを大手キャリアから「格安SIM(MVNO)」や「オンライン専用プラン(ahamo/povo/LINEMO)」に乗り換える。

通信費を月額7,000円から月額1,000円〜3,000円程度に下げることができれば、端末代の「逆ザヤ」分を通信費の削減分で回収できます。

ただし、これからさらに2年使うとなると、バッテリー交換費用(約1.5万円)が別途必要になる可能性が高い点は覚悟しておいてくださいね。

よくある質問(FAQ)

最後に、更新月を迎えたお客様からよくいただく質問にお答えします。

Q. 返却時に画面が割れていたらどうなりますか?

画面割れや大きな傷がある場合、最大22,000円(不課税)の「故障時利用料」が請求される可能性があります。この場合、返却するメリットが薄れてしまうため、修理して使い続けるか、街の中古買取店で「ジャンク品」として査定してもらい、比較検討することをおすすめします。

Q. データ移行が面倒で、つい先延ばしにしてしまいます。

iPhone同士の機種変更であれば、「クイックスタート」という機能を使えば、新旧のiPhoneを隣に置くだけで、写真もアプリもLINEの履歴も丸ごとコピーできます。PCもケーブルも不要です。所要時間は30分〜1時間程度ですので、休日の朝にサクッと終わらせてしまいましょう。

Q. Androidスマホの場合も「返却」が得ですか?

はい、Androidの場合はiPhone以上に「返却」が得になるケースが多いです。Android端末はiPhoneに比べて中古市場での価格下落(リセールバリューの低下)が激しいため、2年後の残価設定額よりも市場価値が大幅に低くなっていることがほとんどだからです。

まとめ:感情の「もったいない」を捨て、論理的な「節約」へ

「まだ使えるスマホを手放すのはもったいない」。その気持ちは、変化を恐れる心理的なブレーキかもしれません。

しかし、数字で見れば事実は明らかです。

  • 今のiPhone 14を使い続けると、市場価値以上の残価を払うことになる。
  • 最新機種に乗り換えた方が、月々の固定費が安くなる可能性が高い。
  • 使い続けるなら、通信費を下げないとトータルで損をする。

更新月は待ってくれません。期限を過ぎると、自動的に再分割が始まり、高い家賃を払い続ける生活がスタートしてしまいます。

まずはキャリアのマイページ(My docomoやMy auなど)にログインし、あなたの「残価額」と「返却期限」を確認することから始めましょう。それが、賢い節約への第一歩ですよ。

参考文献

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この記事を書いた人

元大手家電量販店スタッフ。白物・黒物家電、スマートフォン、パソコンを中心に、設定方法やエラー・不具合などの「困った」を初心者目線で解説しています。専門用語はできるだけ使わず、今すぐ試せる対処法をわかりやすく伝えることを心がけています。

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