スマホ画面が緑に!直し方はある?修理前に試す「3分診断」とデータ救出の裏技

スマホ画面が緑に!直し方はある?修理前に試す「3分診断」とデータ救出の裏技を解説するアイキャッチ画像

「さっき落としたスマホ、拾い上げたら画面が緑色に発光してる……。これって直るの? データはどうなるの?」

通勤中の電車や、ふとした瞬間の落下事故。画面が割れていなくても、全体が緑色になって文字が見えなくなると、血の気が引くほど焦りますよね。そのお気持ち、痛いほど分かります。

こんにちは、元家電販売員の島 翔一です。今回のテーマは、通称「Green Screen of Death(死の緑画面)」と呼ばれるスマホのトラブルです。

店頭でも「急に画面がおかしくなった! バグですか?」と駆け込んでくるお客様を数多く担当しましたが、正直に申し上げます。この症状、自然に直ることはほとんどありません。

しかし、諦めるのはまだ早いです。画面がほとんど見えなくても「データだけは救い出す裏技」が存在します。修理に出す前に、まずは落ち着いて現状を確認し、大切なデータを守る手順を一緒に進めていきましょう。

目次

その緑画面、バグ?故障? 修理が必要か分かる「3分自己診断」

「もしかしたら、一時的なバグで再起動すれば直るんじゃないか?」

そう期待したくなるのが人情ですよね。まずは、その「緑の画面」がソフトウェアの一時的な不具合なのか、それとも修理必須の物理故障なのかをはっきりさせましょう。

試すべきことはたった一つ。「強制再起動」です。

通常の再起動(画面スライド)ができない場合でも、物理ボタンの操作だけでスマホを強制的にリセットできます。iPhoneの場合、以下の手順で行います。

【iPhoneの強制再起動手順】

  1. 音量を上げるボタンを押して、すぐ放す。
  2. 音量を下げるボタンを押して、すぐ放す。
  3. サイドボタン(電源ボタン)を、Appleロゴが出るまで長押しする。

もし、この強制再起動を行っても画面が緑色のまま、あるいは線が入ったままなら、残念ながら「有機ELディスプレイ(OLED)の物理故障」で確定です。

なぜ緑色になるのでしょうか? それは、Green Screen of Deathと有機ELパネルには、衝撃による破損という明確な因果関係があるからです。

有機ELは非常に繊細な電圧制御で色を出しています。落下などの衝撃で内部の回路やコネクタが損傷すると、電圧の制御が効かなくなり、光の三原色の中で最も発光効率が良い「緑色」の素子だけが暴走して光り続けてしまうのです。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 強制再起動で直らなければ、叩いたり振ったりせず、すぐに「データ救出」のフェーズに移ってください。

なぜなら、この点は多くの人が見落としがちで、「接触が悪いだけかも」と端末を叩いてしまい、かろうじて生きていたタッチセンサーまで完全に壊してしまうケースが後を絶たないからです。今の「見づらいけどタッチは効く」状態が、データを救えるラストチャンスかもしれません。

【緊急】画面が見えなくても諦めない!「盲目バックアップ」の裏技

物理故障と分かったら、修理に出す前にやるべきことは一つ。データのバックアップです。

「でも、画面が緑で何も見えないし、PCに繋いでもスマホ側で『信頼する』ボタンが押せない……」

ここで詰んでしまう方が非常に多いのですが、実はプロが使う裏技があります。それが、iPhoneの視覚サポート機能「VoiceOver」を活用したバックアップ手段です。

VoiceOverを使えば、画面が見えなくても音声ガイドを頼りに操作が可能です。手順は以下の通りです。

  1. iPhoneをPC(iTunes/Finder)にケーブルで接続する。
  2. Siriを起動し(サイドボタン長押し、または「Hey Siri」)、「VoiceOver(ボイスオーバー)をオンにして」と頼む。
  3. スマホから「VoiceOverオン」と聞こえたら、画面の中央あたり(本来『信頼する』ボタンが出る位置)を指で1回タップする。
  4. 「信頼する、ボタン」と読み上げられたら、画面のどこでもいいので素早く2回タップ(ダブルタップ)する。
  5. これでPCとの接続が許可され、バックアップが開始できるようになります。

この方法は、VoiceOverという機能が、画面が見えない状況下での唯一の操作手段として機能することを利用したテクニックです。画面が緑一色で何も見えなくても、タッチセンサーさえ生きていれば、この方法でデータを救い出せる可能性が高いですよ。

修理代が高い…と悩む人へ。正規店 vs 街の修理屋、どっちが得?

無事にデータが確保できたら(あるいは確保できなくても)、次は修理です。

ここで悩むのが、「Apple正規店」に行くか、駅前などにある「街の修理店(非正規店)」に行くか、という問題ですよね。

結論から言うと、「データを消したくない」「安く済ませたい」なら街の修理店、「完璧な品質」を求めるなら正規店です。

ただし、街の修理店を選ぶ際には絶対に守ってほしい条件があります。それは「総務省登録修理業者」であることです。

総務省登録修理業者とは、国の厳しい技術基準をクリアし、安全に修理ができると認められた業者のことです。これ以外の無許可の業者で修理すると、違法な電波を発する改造スマホ扱いになったり、発火事故のリスクがあったりと危険です。

それぞれの特徴を比較表にまとめましたので、ご自身の状況に合わせて選んでみてください。

※この表はスマホでは横にスクロールできます。

比較項目 Apple正規店
(正規サービスプロバイダ)
街の修理店
(総務省登録修理業者)
おすすめな人
データ 初期化される(消える)
※セキュリティ規定のため
そのまま残る
※壊れた部品のみ交換するため
バックアップが取れていない人は街の修理店一択
修理費用
(iPhone 12等の目安)
約40,000円〜
(AppleCare+未加入時)
約15,000円〜20,000円
(店舗による)
保証に入っておらず、出費を抑えたい人
修理時間 数日〜1週間
(予約必須・混雑時は預かり)
即日(最短30分〜)
(飛び込みOKな店も多い)
仕事で使うなど、今日中に直したい人
品質・保証 純正部品を使用
修理後もApple保証継続
互換部品を使用
Appleの保証対象外になる
長く安心して使いたいなら正規店
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 「総務省登録修理業者」の掲示がない店には入らないでください。

なぜなら、この点は多くの人が見落としがちで、安さだけで店を選んでしまい、修理後に「画面の色味が悪い」「タッチ感度が鈍い」といったトラブルに巻き込まれることが多いからです。登録業者は、店舗やWebサイトに必ず登録番号を掲示しています。これが信頼の証です。

よくある質問(FAQ)

最後に、緑画面になってしまったお客様からよく頂いた質問にお答えします。

Q. 叩いたり、放置したりすれば直ることはありますか?

A. 残念ながら、絶対に直りません。むしろ、叩くことで内部の損傷が広がり、データ救出の命綱であるタッチセンサーまで壊してしまう「トドメの一撃」になりかねません。放置しても有機ELの破損は自然治癒しないため、早めの対処が必要です。

Q. 画面が緑のまま使い続けても平気ですか?

A. おすすめしません。緑画面の状態は電圧制御が不安定なため、「ゴーストタッチ(勝手に画面が操作される現象)」が起きやすくなります。知らない間に誰かに電話をかけたり、パスコードを何度も間違えてスマホが完全にロックされたりするリスクがあります。

まとめ:緑画面は「事故」。まずはデータ救出を最優先に

突然の緑画面、本当にショックだったと思います。ですが、これは寿命ではなく、落下などの衝撃による「事故」です。

  • 強制再起動で直らなければ、物理故障(Green Screen of Death)で確定。
  • 画面が見えなくても、SiriとVoiceOverを使えばバックアップは取れる。
  • 安く早く直すなら「総務省登録修理業者」へ。

この3つを覚えておけば、最悪の事態(データ消失)は防げます。

バックアップさえ取れてしまえば、あとは修理に出すだけです。まずはPCにケーブルを繋いで、Siriに話しかけるところから始めてみませんか? あなたの大切な写真や連絡先が救えることを願っています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

元大手家電量販店スタッフ。白物・黒物家電、スマートフォン、パソコンを中心に、設定方法やエラー・不具合などの「困った」を初心者目線で解説しています。専門用語はできるだけ使わず、今すぐ試せる対処法をわかりやすく伝えることを心がけています。

目次