「お風呂の換気扇から黒いホコリが落ちてくる」「ゴーッという音がうるさい」といった悩みはありませんか?表面のカバーは掃除できても、奥にある筒状の羽根(シロッコファン)まで綺麗にしたいと考える方は多いはずです。
しかし、浴室換気扇の分解は、キッチンの換気扇ほど単純ではありません。機種によっては工具なしで簡単に外せるものもあれば、構造上、素人が分解することを想定していないものも存在します。無理に外そうとすると、部品の破損や異音、最悪の場合は故障の原因になりかねません。
この記事では、浴室換気扇のシロッコファンを安全に取り外すための手順と、外せるタイプ・外せないタイプの見分け方、そして固着して外れない場合の対処法を詳しく解説します。
結論:まずは「外せるタイプ」か確認。無理な分解は故障の元
浴室換気扇の掃除に取り掛かる前に、ご自宅の換気扇が「メンテナンス(掃除)のためにファンを取り外せる構造になっているか」を確認することが最重要です。
最近の機種や高機能な換気扇は、手で回せるネジ(蝶ネジ)やワンタッチ着脱機能が付いており、簡単にファンを取り出せます。一方、古いユニットバスに多い埋込型換気扇や一部の安価なモデルは、ファンを取り出すためにモーターごとの分解や、ダクト接続部の取り外しが必要なケースがあります。この場合、無理に分解すると元に戻せなくなるリスクが高いため、「外さずに掃除する」のが正解です。
安全に作業するための準備と確認事項
作業を始める前に、必ず以下の準備を行ってください。浴室は足場が滑りやすく、電気製品を扱うため注意が必要です。
1. ブレーカーを落とす(必須)
換気扇のスイッチを切るだけでなく、分電盤のブレーカーを落とすことを強く推奨します。掃除中に誤ってスイッチが入ると、高速回転するファンで指を切断する大怪我に繋がります。また、水気のある場所での作業なので感電防止のためにも必須です。
2. 必要な道具を揃える
- プラスドライバー:ネジを外すために必要です。
- ゴム手袋:ファンの羽根は鋭利なため、素手で触ると手を切ります。
- 脚立:浴槽の縁に乗って作業するのは転倒の危険があるため避けましょう。
- マスク・ゴーグル:上からホコリやカビが降ってきます。
- 潤滑剤(5-56等):ネジが固着している場合に便利です。
【実践】浴室換気扇(シロッコファン)の外し方手順
一般的な天井埋込型換気扇の分解手順を解説します。途中で「構造が違う」「ネジが見当たらない」と感じたら、無理に進めず作業を中断してください。
STEP 1:化粧カバー(ルーバー)を外す
天井に付いているプラスチックのカバーを外します。
- カバーの両端を持って、ゆっくり真下に引き下げます。
- 2〜3cm下がったところで止まります。隙間から覗くと、V字型の針金(バネ)で引っ掛かっているのが見えます。
- バネを指で挟んで縮め、フックから外します。これを左右(または対角)2箇所行えばカバーが外れます。
STEP 2:オリフィス(円盤状のカバー)を外す
カバーを外すと、黒いカタツムリのようなケースが見えます。ファンの手前に「オリフィス」や「ベルマウス」と呼ばれる円盤状の部品(風の通り道を整える板)が付いている場合は、これを外します。
- 蝶ネジ(手で回せるネジ)の場合:手で回して外します。
- 普通のネジの場合:ドライバーで外します。ネジを浴槽に落とさないよう注意してください。
※この部品がなく、いきなりファンが見えている機種や、ケーシングと一体化していて外せない機種もあります。
STEP 3:シロッコファンを引き抜く
円筒形の羽根(シロッコファン)を取り出します。
- ファンの中心にある固定ナット(またはネジ)を探します。
- 片手でファンを押さえて回らないようにし、もう片方の手でナットを回して外します。
【重要】多くの換気扇は通常のネジと同じ「反時計回り(左)」で緩みますが、稀に回転方向の関係で「時計回り(右)」で緩む逆ネジの場合があります。ナットに「ゆるむ」の矢印がないか確認してください。 - ナットが外れたら、ファンを水平にゆっくり引き抜きます。軸に錆があると硬い場合があります。
「外れない」場合の対処法と判断基準
手順通りに進めても外れない場合や、構造が異なる場合の対処法です。
| 状況 | 原因と対処法 | 判断 |
|---|---|---|
| 中心のナットが錆びて回らない | 湿気で錆びついています。潤滑剤を少量吹きかけ、10分ほど放置してから回してみてください。それでも動かなければ諦めます。 | 無理に回さない (軸が折れる危険あり) |
| ファンを固定するネジが見当たらない | 「カシメ固定」や「圧入」といって、分解を想定していない構造です。モーターごと外す必要があります。 | 分解NG (外さずに掃除する) |
| オリフィス(手前の板)が外れない | 本体枠と一体化しているか、天井裏からの作業が必要なタイプです。 | 分解NG (外さずに掃除する) |
外せないタイプの掃除方法
ファンが外せないタイプの場合でも、以下の方法である程度の汚れは落とせます。
- ブラシで掻き出す:歯ブラシや、専用の「シロッコファン用ブラシ(先端が曲がっているもの)」を使い、羽根の隙間のホコリを掻き出します。
- 掃除機で吸う:掻き出したホコリが落ちてこないよう、掃除機のノズルを近づけながら作業します。
- 固く絞った雑巾で拭く:割り箸に雑巾を巻き付けた「マツイ棒」のような道具で、羽根の一枚一枚を拭き取ります。
※洗剤を直接スプレーするのは避けてください。モーター内部に液が入り込み、故障や発火の原因になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 浴室乾燥機(暖房機能付き)の場合も外し方は同じですか?
A. いいえ、浴室乾燥機は構造が複雑で、内部にヒーターや配線が密集しています。フィルターとカバー以外の分解は火災のリスクがあるため、取扱説明書に記載がない限り、ユーザーによるファンの取り外しは禁止されていることがほとんどです。
Q2. ファンを水洗いしても大丈夫ですか?
A. 取り外したプラスチックや金属のファン単体であれば、中性洗剤で水洗いして問題ありません。カビキラーなどの塩素系漂白剤も有効ですが、金属部品が腐食しないよう、最後によく洗い流して完全に乾燥させてから取り付けてください。
Q3. 賃貸ですが、勝手に分解掃除してもいいですか?
A. カバーを外してファンを取り出す程度の「通常のお手入れ」の範囲なら問題ありません。ただし、ドライバーで本体の固定ネジを外したり、配線に触れたりする行為はNGです。元に戻せなくなった場合は修理費を請求される可能性があります。
Q4. 掃除の頻度はどれくらいが理想ですか?
A. 表面のフィルターは月に1回、内部のシロッコファンは年に1回程度が目安です。ホコリが溜まりすぎると換気能力が落ち、カビの原因になります。
Q5. 掃除しても音がうるさいままです。原因は?
A. 掃除で改善しない異音(キーン、ゴーッなど)は、モーター軸受の摩耗や寿命の可能性が高いです。設置から10年以上経過している場合は、掃除ではなく換気扇本体の交換を検討してください。
まとめ
浴室換気扇のシロッコファン掃除は、まず「自分の家の換気扇が簡単に外せるタイプかどうか」を見極めることから始まります。
カバーを外し、手で回せるネジや明確な固定ナットがあれば、手順に従って取り外して丸洗いが可能です。しかし、ネジが見当たらない場合や錆びついている場合は、無理に分解しようとせず、ブラシでの拭き掃除に留めるのが賢明です。無理な分解は故障を招くだけでなく、怪我のリスクも高まるため、安全第一で作業を行いましょう。
