「キッチンの換気扇から異音がする」「油汚れでベタベタになり、吸い込みが悪くなった」といった理由で、交換を検討していませんか?業者に頼むと工事費がかかるため、「ホームセンターで本体を買ってきて、自分で交換すれば安く済むのでは?」と考える方は多いはずです。
しかし、キッチンの換気扇交換には「誰でも簡単にできるケース」と「国家資格がないと法律違反になるケース」の2種類が存在します。ここを見誤ると、感電や火災のリスクがあるだけでなく、法的なトラブルに発展する恐れもあります。
この記事では、自分で交換できる換気扇の見分け方から、具体的な交換手順、そしてプロに任せるべき判断基準までを詳しく解説します。安全かつ確実にキッチンを快適にするためのガイドとしてお役立てください。
結論:コンセント式ならDIY可能、直結式は「電気工事士」の資格が必須
まず結論から言うと、自分で交換できるかどうかの最大の分かれ目は「電源プラグ(コンセント)で接続されているか」です。
換気扇の近く、あるいは幕板(カバー)の中にコンセントがあり、そこからプラグを抜き差しできるタイプであれば、それは「家電製品」と同じ扱いとなり、資格がなくても自分で交換可能です。一方、壁や天井から出ている配線が、換気扇本体に直接繋ぎ込まれている「電源直結式」の場合は、配線の切り離しと接続に「第二種電気工事士」の国家資格が必要です。無資格での作業は法律で禁止されており、感電や漏電火災の原因となるため絶対にやめましょう。
【STEP1】自宅の換気扇タイプとDIY難易度を確認する
キッチンの換気扇は大きく分けて2つのタイプがあります。それぞれの特徴とDIYの難易度を確認しましょう。
1. プロペラファン(壁付けタイプ)
【DIY難易度:低】
昔ながらの扇風機のような羽根が回るタイプです。壁の開口部に直接はめ込まれており、紐を引いてスイッチを入れるものが多いです。このタイプは構造が単純で、コンセント式が多いため、サイズさえ合えば初心者でも比較的簡単に交換できます。
2. レンジフード(シロッコファン・深型/薄型)
【DIY難易度:高】
コンロの上を覆うフードと、ダクトを通して排気するファンがセットになったタイプです。コンセント式であれば法的にはDIY可能ですが、以下の理由から難易度は非常に高いです。
- 重量がある:本体が重く、一人での作業は危険を伴います。
- 固定が難しい:壁の下地(柱)の位置を正確に把握し、強固にビス止めする必要があります。
- ダクト接続が必要:排気ダクト(銀色の蛇腹ホース)を隙間なく接続し、アルミテープで密閉する技術が必要です。
【STEP2】自分で交換する手順(プロペラファンの場合)
最もDIYしやすいプロペラファンの交換手順を解説します。作業前には必ず換気扇のサイズ(一般的には羽根径20cmまたは25cm)と、枠の埋込寸法(30cm角など)を測り、適合する製品を購入してください。
用意するもの
- 新しい換気扇本体
- プラスドライバー
- 軍手(怪我防止)
- 掃除道具(雑巾、洗剤)
交換の流れ
- 取り外し:コンセントを抜き、カバーと羽根を外します。本体を固定している上部のネジ(蝶ネジなど)を緩めると、本体が手前に外れます。
- 掃除:古い換気扇を外した枠(木枠)には長年の油汚れが溜まっています。新しいものを付ける前に綺麗に拭き取りましょう。
- 取り付け:新しい換気扇を枠にはめ込みます。上部の固定ネジを締め付けて壁に固定します。
- 動作確認:コンセントを差し、羽根とカバーを取り付け、スイッチを入れてスムーズに回れば完了です。
【STEP3】自分で交換する手順(レンジフードの場合)
コンセント式であることを確認し、それでも自分で挑戦する場合の手順です。必ず二人以上で作業することをおすすめします。
用意するもの
- 新しいレンジフード本体
- 電動ドライバー(手回しでは困難です)
- アルミテープ(ダクト接続用)
- 脚立
- 養生シート
交換の流れ
- 養生と撤去:コンロや床を汚さないよう養生し、幕板(前カバー)を外します。コンセントを抜き、ダクトの接続を外してから、本体を固定しているビスを抜いて撤去します。非常に重いので注意してください。
- 位置決めと下地確認:新しい本体を取り付ける位置を決めます。付属の型紙を使い、ビスを打つ場所に壁裏の下地(柱)があるか確認します。石膏ボードだけの場所にビスを打っても落下します。
- 本体設置:本体を壁に引っかけ、ビスで強固に固定します。水平器を使って傾きがないか確認しましょう。
- ダクト接続:排気ダクトを本体の排気口に接続し、アルミテープを隙間なく巻いて固定します。ここが甘いと排気漏れの原因になります。
- 仕上げ:電源コードを差し、幕板を取り付けて完了です。
DIYと業者依頼の比較:費用とリスク
「安さ」をとるか「安心」をとるか、判断材料として比較表を作成しました。
| 項目 | 自分で交換(DIY) | 業者に依頼 |
|---|---|---|
| 費用目安 | 本体代のみ (プロペラ:5千円〜/フード:3万円〜) |
本体代 + 工事費 (工事費目安:1.5万〜4万円) |
| メリット | 費用を最小限に抑えられる。 好きな機種をネットで安く買える。 |
安全・確実・早い。 古い機種の処分も任せられる。 |
| リスク・デメリット | サイズ選定ミス。 設置不備による落下や排気漏れ。 古い本体の処分に困る。 |
費用がかかる。 日程調整が必要。 |
よくある質問(FAQ)
Q1. 資格が必要な「直結式」かどうかがわかりません。
A. 換気扇のカバーや幕板を外して内部を確認してください。コンセントプラグが見当たらず、配線が本体内部へ直接引き込まれている場合は直結式です。判断がつかない場合は、無理に触らず業者に見てもらいましょう。
Q2. プロペラファンからレンジフードへ自分で交換できますか?
A. 非常に難易度が高いです。壁の穴を塞ぐアダプターの設置や、ダクトの取り回し、電気配線の処理などが必要になるため、プロに依頼することを強くおすすめします。
Q3. ネットで買った換気扇を業者に取り付けてもらえますか?
A. 可能です。「くらしのマーケット」などのマッチングサイトや、地域の便利屋、電気工事店などで「取り付けのみ」を受け付けている業者を探せます。ただし、工事費が割高になる場合や、保証対象外になる場合があるため事前に確認が必要です。
Q4. 古い換気扇はどうやって捨てればいいですか?
A. 自治体のルールに従いますが、一般的には「粗大ゴミ」または「不燃ゴミ」として処分します。サイズによって区分が変わるため、お住まいの自治体のゴミ出しパンフレットを確認してください。
Q5. 賃貸ですが、自分で交換してもいいですか?
A. 原則NGです。設備は大家さんの所有物ですので、勝手に交換すると退去時にトラブルになります。故障や異音がある場合は、管理会社へ連絡すれば無償で交換してもらえるケースがほとんどです。
まとめ
キッチン換気扇の交換を自分で行う場合、まずは「コンセント式かどうか」を確認することがスタートラインです。
プロペラファンでコンセント式であれば、DIY初心者でも挑戦しやすいですが、レンジフードタイプの場合は重量や設置精度の問題から、プロに任せたほうが安全で確実です。無理なDIYは、落下事故や排気漏れによる油汚れの拡散、最悪の場合は火災のリスクを招きます。「少しでも不安がある」「配線が直結されている」という場合は、迷わず専門業者に依頼しましょう。
