「ドスパラはやめとけ」は思考停止。+5,000円で弱点を塞ぐ『賢いBTO攻略法』

「よし、予算20万円で念願のゲーミングPCを買うぞ!」

そう決意して、コスパが良いと評判のドスパラ(GALLERIA)をカートに入れ、いざ購入ボタンを押そうとしたその瞬間。検索窓に表示された「ドスパラ やめとけ」「ドスパラ 最悪」という不穏なサジェストを見て、思わず手が止まってしまった経験はありませんか?

「せっかくのボーナスをドブに捨てることになったらどうしよう……」
「すぐに壊れたり、サポートでたらい回しにされたりするのは絶対に嫌だ」

その不安、痛いほどよくわかります。私もPCショップの店員時代、同じような相談を数え切れないほど受けてきましたから。

でも、結論から言いますね。
ネット上の「やめとけ」という声を鵜呑みにして、ドスパラを選択肢から外すのは非常にもったいない「思考停止」です。

なぜなら、ドスパラの悪評の多くは「過去の炎上」と「標準パーツの弱点」に起因しており、たった一つのパーツをカスタマイズするだけで、そのリスクは大幅に低減できるからです。

この記事では、元PCショップ店員であり、年間50台以上のBTOパソコンをレビューしている私が、ドスパラの悪評の「真実」を暴き、リスクを物理的に塞いで最強のコスパと即納を手に入れる「裏攻略法」を伝授します。

これを読めば、あなたはもうネットの噂に惑わされることなく、「賢い買い物をした」という確信を持って、今週末から最高のゲームライフをスタートできるはずです。

ケンジ

この記事を書いた人:ケンジ

BTOパソコン専門レビュアー / 元PCショップ店員

PCハードウェア解説歴10年。メーカーの信者でもアンチでもない「中立的な技術屋」として、年間50台以上の実機を検証。感情論ではなく、スペックと内部構造に基づいた「失敗しない選び方」を発信しています。

目次

なぜ「ドスパラだけはやめとけ」と言われるのか?悪評の正体

まずは、あなたが一番気になっている「悪評」の正体を解剖していきましょう。火のない所に煙は立たぬと言いますが、その「火」が現在も燃え盛っているのか、それとも鎮火済みのボヤなのかを見極めることが重要です。

過去の炎上が作り出した「亡霊」

正直に言いますが、ドスパラ(運営:サードウェーブ)は過去に何度か大きな「やらかし」をしています。

特に有名なのが、2012年頃のHDD故障率の問題や、2021年の景品表示法違反(二重価格表示問題)です。これらは企業の信頼に関わる重大な問題であり、当時批判されたのは当然のことです。

しかし、ここで冷静になって考えてみてください。2012年のHDDトラブルや、価格表示の問題は、今あなたが買おうとしている最新のゲーミングPC「GALLERIA」の性能や品質に、直接的な悪影響を与えるでしょうか?

答えはNoです。
現在のドスパラは、過去の反省から品質管理体制を強化しており、eスポーツ大会への機材提供も積極的に行っています。ネット上の「やめとけ」という声の多くは、こうした過去の不祥事のイメージを引きずったまま更新されていない「亡霊」のようなものなのです。

「初期不良」はドスパラだけの問題ではない

「ドスパラはすぐ壊れる」という噂もよく耳にしますよね。
しかし、PCパーツの故障率データを客観的に見ると、特定のBTOメーカーだけが突出して壊れやすいという事実は確認できません。

PCパーツは、ASUSやMSIといったパーツメーカーが製造しており、ドスパラもマウスコンピューターも、中身はそうした汎用パーツの組み合わせです。初期不良は、どのメーカーで買っても一定の確率(運)で必ず発生します。

「ドスパラだから壊れた」のではなく、「たまたま引いたパーツが初期不良だった」というのが技術的な真実です。重要なのは「壊れないこと」よりも、「万が一の時にどう対応するか」というリスク管理なのです。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: ネットの悪評は「話半分」でOK。ただし、「火種」になりやすいパーツがあるのも事実です。

なぜなら、多くの初心者は標準構成のまま購入してしまい、コストカットされがちな「電源ユニット」の弱さを見落とすからです。ここさえケアすれば、ドスパラの故障リスクは他社と同等レベルまで下がります。

それでもドスパラを選ぶべき3つの理由(納期・コスパ・Palit)

リスクの正体が見えたところで、次は「なぜこれほど叩かれても、ドスパラは日本で一番売れているのか?」という理由をお話しします。そこには、他社が真似できない圧倒的なメリットがあるからです。

1. 業界最速!「翌日出荷」という魔法

あなたがゲーミングPCを欲しいと思ったのはいつですか?「今」ですよね。
多くのBTOメーカー(マウスコンピューターやパソコン工房など)は、注文から到着まで5日〜2週間程度かかります。

しかし、ドスパラの最大の強みは「翌日出荷」が標準であることです。
金曜日の夜に注文すれば、土曜か日曜には自宅に届き、その週末からすぐにゲームに没頭できます。この「熱量を逃さないスピード感」こそが、ドスパラを選ぶ最大の理由です。

2. Palit(パリット)製グラボによる圧倒的コスパ

「ドスパラは安いけど、怪しいパーツを使ってるんじゃないの?」
そう疑う人もいるでしょう。特にグラフィックボードに採用されている「Palit」というメーカーについて、よく知らないという人も多いはずです。

実は、Palitは世界的なシェアを持つ大手メーカーです。
ではなぜ安いのか?それは「品質が悪いから」ではなく、「流通の仕組み」が違うからです。

このように、ドスパラはPalitと独占契約を結び、商社を通さずに直輸入することで、いわゆる「代理店税」をカットしています。つまり、ドスパラの安さは企業努力による「正当な安さ」なのです。

【重要】失敗回避!購入時に絶対やるべき「+5,000円」のカスタマイズ

ここからが本記事のハイライトです。
ドスパラの弱点である「電源ユニット」のリスクを物理的に排除し、安心して購入するための具体的なカスタマイズ方法を伝授します。

この設定を忘れると、数年後に「やっぱりドスパラはやめておけばよかった」と後悔することになりかねません。必ずメモしてください。

必須:電源ユニットを「80PLUS GOLD」へ変更せよ

標準構成のGALLERIAには、多くの場合「80PLUS Bronze」というグレードの電源が搭載されています。もちろんこれでも動作はしますが、ギリギリのコストで作られていることが多く、耐久性や電力効率に不安が残ります。

そこで、購入画面のカスタマイズで「80PLUS GOLD」規格の電源に変更してください。
費用はモデルによりますが、おおよそ+5,000円〜10,000円程度です。

電源ユニットは、PCの心臓部です。
ここをケチると、電力供給が不安定になり、最悪の場合、高価なグラフィックボードやマザーボードを道連れにして故障します。逆に言えば、ここさえ「GOLD」にしておけば、ドスパラPCの故障リスク(特に突然死のリスク)は大きく低下します。

推奨:CPUファンも少しだけ良いものに

予算に余裕があれば、CPUファン(冷却クーラー)も標準のものから、Scythe(サイズ)製の「虎徹」やDeepCool製のファンなどに変更(+3,000円〜5,000円)することをおすすめします。
標準ファンは冷却性能が最低限で、高負荷時に「ブォーーン!」という騒音が気になることが多いからです。

カスタマイズ項目 推奨内容 期待できる効果 推定コスト
電源ユニット
(最重要)
80PLUS GOLD
(750W以上推奨)
電力効率アップ、発熱減少、部品寿命の延長、トラブル回避 +5,000円〜
CPUファン
(推奨)
サイドフロー型空冷
(Scythe虎徹など)
静音性の向上、CPUの熱暴走防止 +3,000円〜
グリス
(任意)
高熱伝導率タイプ
(ナノダイヤモンド等)
冷却効率の微増(こだわり派向け) +1,500円〜

ドスパラ vs マウスコンピューター徹底比較。あなたはどっち?

「ドスパラの対策はわかったけど、やっぱりマウスコンピューター(G-Tune)も気になる……」
そんなあなたのために、BTO界の2大巨頭であるドスパラとマウスコンピューターは、それぞれどんな人に向いているのかを明確に比較しました。

両社はライバル関係にありますが、その戦略は対照的です。

比較項目 ドスパラ (GALLERIA) マウスコンピューター (G-Tune)
納期 翌日出荷(圧倒的に早い) 通常5日〜2週間前後
コスパ 非常に高い
(Palit採用などで価格を抑制)
標準的〜やや高め
(セール時は安い)
標準保証 1年間 3年間(安心感が強い)
デザイン ゲーミングらしいLEDライティング
(コンソールパネルが特徴)
シンプルで質実剛健
(光らないモデルも多い)
こんな人におすすめ 今すぐゲームがしたい人
・コスパ最優先の人
・自分でカスタムを楽しみたい人
納期より安心を優先する人
・3年保証が標準で欲しい人
・国内生産にこだわりたい人

結論として、「週末にゲームを始めたい」「少しでも安くハイスペックを狙いたい」ならドスパラが正解です。
一方で、「届くのは来週でもいいから、何も考えずに3年保証が欲しい」という慎重派の方は、マウスコンピューターを選ぶのが幸せになれる道です。

よくある質問(FAQ)

最後に、私が店頭でよく聞かれた質問に、本音でお答えします。

Q. サポートの電話が繋がらないって本当ですか?

一時期(コロナ禍初期など)は繋がりにくい時期もありましたが、現在は改善傾向にあります。また、ドスパラは全国に実店舗が多いのが強みです。電話が不安なら、PCを店舗に持ち込んで直接相談することも可能です。これはネット専業メーカーにはない大きなメリットです。

Q. 「セーフティサービス」は入ったほうがいいですか?

月額制の保険サービスですね。「過失(水をこぼした等)」でも保証されるのが魅力ですが、月額料金がかかります。
個人的な裏技としては、「最初の数ヶ月だけ加入して、操作に慣れたら解約する」という使い方がおすすめです。PC初心者のうちは予期せぬトラブルが多いので、保険として入っておき、自信がついたら外すのが賢いでしょう。

Q. 自分でパーツ交換したら保証は切れますか?

ドスパラの規約では、原則として「増設や交換を行っても、それ自体が原因で故障したのでなければ保証は継続する」という比較的寛容なスタンスを取っています(※最新の規約は必ず公式サイトで確認してください)。ただし、作業中にパーツを破損させた場合は自己責任になるので、自信がなければ購入時のカスタマイズで済ませておくのが無難です。

結論:ドスパラは「条件付き」で買い。賢くカスタムして週末にゲームを始めよう

ここまでの話をまとめます。

「ドスパラはやめとけ」という言葉は、過去のイメージや一部の極端な意見に過ぎません。
しかし、標準構成の電源ユニットにコストカットの形跡があるのも事実です。

だからこそ、思考停止で避けるのではなく、「電源をGOLDに変更する」というたった一つの知恵(カスタマイズ)を使ってください。
そうすれば、あなたは:

  1. 業界最速の納期で、今週末からすぐにゲームを楽しみ、
  2. Palit製グラボの恩恵で、予算内でワンランク上のスペックを手に入れ、
  3. 強化された電源で、故障リスクに怯えることなく安心して使い続けることができます。

完璧なPCメーカーは存在しません。しかし、リスクを自分でコントロールできる人にとって、ドスパラほど「美味しい」選択肢がないのも事実です。

さあ、あなたも「賢い消費者」として、自信を持ってGALLERIAを選んでください。
新しい相棒とのゲームライフは、もう目の前です。


参考文献

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この記事を書いた人

元大手家電量販店スタッフ。白物・黒物家電、スマートフォン、パソコンを中心に、設定方法やエラー・不具合などの「困った」を初心者目線で解説しています。専門用語はできるだけ使わず、今すぐ試せる対処法をわかりやすく伝えることを心がけています。

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